高齢者向け弁当宅配サービスとは?
高齢者人口が増加してきているという背景もあって、高齢者向けのサービスもどんどん新しいものが登場してきています。
その中でも現在かなり多くの業者が競争状態となっているのが「高齢者向け弁当宅配サービス」です。
もともとお弁当の配達は飲食店や仕出し屋が多く行っていましたが、特定の配慮が必要なメニューで配達ということはあまり得意とする業者はいませんでした。
それが2013年ころから急激に業者数が増加してきており、現在ではセブン-イレブンや大塚製薬など大手企業が積極的に参入してシェアを広げあっているという状況ができています。
実はこの高齢者向けの宅配サービスをいち早く導入したのはワタミで、2010年くらいから「ワタミの宅食」というサービス名称で当時の弁当宅配事業の多くを獲得していました。
しかしその後高齢者向けの弁当宅配の市場規模に気がついた他の業者が次々と参入をしてきたということと、ワタミが本業の居酒屋事業で不祥事を起こしてしまったことで勢いが失速してしまい、後続の参入業者がどんどんシェアを伸ばしていくということになりました。
現在のところナンバーワンのシェアと言えるのがセブン-イレブンの「セブンミール」ですが、他にも宅配寿司大手銀のさらの提供する「銀のお弁当」、オリジン弁当を運営するオリジン東秀による「彩食健味」などが競う形で営業をしています。
競争が激化したことでサービスの質も向上
ワタミが「ワタミの宅食」を開始したばかりの頃には同じ業種の産業がほとんどいなかったこともあり、サービスの質そのものは決して高くはありませんでした。
というのも宣伝の内容では「毎日違った献立が配達」といったことが書かれていたにもかかわらず、実際には一週間あまり代わり映えのないメニューであったりといったように、食事の内容の質はそれほど評価できるものではなかったのです。
しかしその後参入してきたセブンミールや銀のお弁当では高齢者向けに食材を工夫しながら毎回のメニューにメリハリをつけた内容にするなどかなり本格的に力を入れており、その後競合する飲食関連会社が入ってきたこともあって現在は相当レベルの高いサービス内容になっています。
全国規模の大手企業の他に地域密着でサービス提供をするところも多いので、これから利用をするという時には複数の企業のものを比較してみるのがよいと言えます。
普通のお弁当サービスとの違いとは
そこで気になるのがどうしてわざわざ「高齢者向け」となっているかということです。
高齢者向けの宅食サービスでは、まず調理の方法を通常よりも丁寧に行い、食べやすい大きさに切ったり柔らかくなるまで煮込んだりといったようにものを噛んだり飲み込んだりするのが苦手な高齢者でも困らずに食べることができるように工夫がされています。
また高齢者は食が細くなりがちでそのため栄養バランスも偏ってしまうのですが、そこで全体のカロリー量をおさえつつもたくさんの食材を食べられるようにメニューの工夫がされています。
他にもごはんをおかゆにかえることができたりといったように個別の食の好みに応じて注文をすることができるというのもサービス全体の特徴になっています。
遠方で一人暮らしをしている高齢者がいる場合にはお弁当の配達と合わせて安否確認もできるようにしているとのことで、子供にとっても安心して任せることができる内容です。